お盆(Obon)到来

日本人にとっての夏の連休シーズン、お盆(Obon)の時期がやってきました。
皆さんは旅行に行きましたか?それとも仕事をですか?

日本では、”宗教”という概念ではなく、生活に根付いた仏教的慣習が多くあります。
お盆もそのうちの一つ。先祖や亡くなった人たちの精霊をお迎えし、供養をする期間をお盆とよんでいます。

私の住む地域のお盆は、毎年8月13日の夕方になると、家の近所の分かれ道、または家々のお墓まで提灯をお線香を持ってご先祖様を迎えにいきます。
提灯の灯とともにご先祖様の魂を家の仏壇まで連れて帰り、お盆を一緒に過ごす。
次の日には近所のお坊さんが家の仏壇までお経を唱えに来たり、家族親戚とお墓参りやバーベキューをしたり。そして、15日の夜にはまた、近くの分かれ道まで提灯の灯と一緒に、ご先祖様をあの世へ送り届けます。
今では、行う地域も少なくなってきましたが、これが毎年行われている私の家の慣習です。

この時期よく行われている灯篭(とうろう)に関連するイベントも、お盆の行事ですが、
死者の霊が多く帰ってくるため、この時期に海に行くと波にさらわれやすいとか、
迷信かもしれませんが色々な言い伝えがある、少しひんやりとした時期でもあるのです。

先日、お盆シーズンの恒例行事である盆踊り(※)に、日本で生活する外国籍の友達を連れていきました。
ありがちな文化体験のように、浴衣を着せてみんなで踊って飲んで騒いで、
私はもの凄くベタなことと考えていたのですが、予想以上に地方独特の雰囲気と盆踊りという祭り文化、そして、小さな集落の日本語しか話せない、でもフレンドリーな人達とのコミュニケーションを非常に喜んでいました。友達は、来日する海外の方々には絶対に人気がでるアクティビティだと熱く主張し、日本人である私は、”モノ”ビジネスではなく、”コト”ビジネスが注目される現在のインバウンドビジネスの実際の光景を目の当たりにした気がしました。
訪日観光客向けビジネスのかけらが何でもないところに転がっているとはこのことですね。

日本で生活する中で、日本人や文化の壁に思い悩む方も多いと思いますが、
積極的なコミュニケーションを行い続けることや、見えにくい優しさや思いやりもあるという文化理解、または、日本語能力などを磨くことなどで、打破できる場合があるかもしれません。ダイレクトなコミュニケーションの中で育った文化圏の方々には日本人はわかりにくい民族と言われることが多いですが、地域によってもさまざまな人がいるので、ぜひ日本各地への旅の中で、みなさん一人一人にとっての好きな”日本”や”日本人”と出会うことで、”日本”という国での生活を楽しんで頂けることを願っています。

それでは、Have a nice ”Obon” !! (うらめしや~)

※盆踊り:
本来お盆に帰ってきた祖先の霊たちを迎え送るための念仏踊りとして始まった宗教行事
誰もが参加でき祖先への思いを馳せ供養するための踊りだったそうです。